今回は自分自身のスキーが変わったきっかけについて書きます。
私自身、ごくごく平凡なスキーヤーで、時間をかけてスキーに取り組み、なんとかSAJ公認スキー指導員に合格するところまではきました。
あるとき、行きつけのスキー場でリフトに乗っているとき、年に1回か2回グループレッスンでお世話になっているインストラクターがアシスタントを連れて示範をしている光景に出会いました。そのとき、あれっと思い、ポケットからカメラを出して撮影しました。もう10年くらい前のことです。その映像を5年くらい前にPCの中に見つけたところから私のスキーが変わり始めました。
その示範は中回りでしたが、谷回りでも山回りでも等速であることに気づきカメラを回したのです。自分の滑りは谷回り(ターン前半のスキーが下を向いていく局面)で加速し、山回り(スキーが下向きから横向きに変わっていく局面)でスピードをコントロールしていました。
motoo

どうして谷回りで加速しない滑りが成立するのかそれがすごく気になり考えました。物理の法則で言えば加速していくはずの谷回りで加速しないのは落下エネルギーを消費しているからに決まっています。ということは谷回りでスキーで雪を削っているはずです。もちろん削る方向は外です。外へ雪を削るためには身体を内側(谷側)に持って行き、外に向かってスキーを押し出すのです。それは結構難しいことです。身体を谷側に傾けないと外へ削ることができませんが、外へ削らなければ遠心力が働かず内側に転けてしまいます。鶏が先か卵が先かのようなことで、ことは絶妙なタイミング絶妙なバランスで行われなければなりません。
そして身体を内側に入れた、外へはたらきかけられる姿勢をターンポジションということ。単に切り替えのことではなく、身体を入れ替えて次のターンのエッジングを行うことができるポジションを作ることをクロスオーバーということ。などに考えが及びました。
それから2年ほど、滑走時間の半分くらいは中斜面でこの切り換え方の練習を続けました。それから、クラブの先輩方の評価が変わったように思います。